今まで勉強したことや、見聞きしたことを綴ります(再掲もあり)。
間違いや未熟さ等につきましては、ご容赦くださいませ。
認知症の方は、長期記憶(長く保たれる記憶)は比較的保たれています。
昔のこと、子供時代の話、子育てをしていた時の事、など、本当によく覚えています。
逆に、短期記憶(数十秒~数か月の短い期間に保持される記憶)が苦手です。
昨日の事、ついさっきのこと、数分前の事なども忘れてしまいます。
ご家族が会いに来たり、一緒に過ごした楽しい時間も、
忘れてしまうことがあるため、『会いに来ても、忘れちゃうよね』とか、
『どうせ、忘れちゃうから、来なくても一緒かしら?』なんて、ご家族の嘆きの声も聞かれたりします。
認知症の症状にもよりますが、ご家族が来たこと、話したこと、
一緒にお出かけしたこと、孫に会ったこと、残念ながら、すべて忘れてしまうこと、あります。
しかし、感情は残ります。はい、感情は残るんです!
どういうことかというと、
楽しかった、嬉しかった、という、感情は残っているんです。
誰に会ったか、何があったか、どこに行ったかなどは忘れますが、
嬉しいとか、楽しかったとかの感情は残るので、
ご家族が帰った後、なんだか嬉しそうだったり、
穏やかだったり、うきうきしていたり、ルンルンしていたり、するわけです。
その逆もあります。
負の感情などが起こる出来事があった場合、
何があったかは忘れますが、その後、イライラしていたり、
怒っていたり、不穏になって落ち着かないとか、何だかわからないけど悲しい気持ちになっている、
ということもあります。
ご家族が会いに来ること、どこかへお出かけしたり、一緒に食事したり、
楽しくおしゃべりしたりすることは、
認知症の方々にとって、とても大切な時間です。
忘れちゃうけど、無駄な時間ではありません。
思い出の積み重ねはできませんが、感情の積み重ねはできます。
一緒に過ごす時間を楽しんでください。
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